こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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井上康生さんの敗戦に

今後の井上さんの復活に注目したい。

スポーツ柔道のメダルを再び勝ち取ることだけが復活だとは思わない。具体的なことには想像力が及ばなくて恐縮だが、本当の復活の姿を見せるのはもっと難しい事じゃないかと思う。単に次の試合に勝つだけなら自らを「強い柔道選手」であると証明するのみなのだが、「真の柔道家」がすむ世界はもう少し次元が高いところじゃないかと思う。

その道で頂点を極め最強と言われた男がただ1回の敗戦で脆くも潰れてしまうようなら、柔道など高の知れた余興だということになろう。いくら日本柔道の競技レベルが高くてメダルを何枚取れていたとしても、皆が皆オリンピックを目指すわけじゃなし、それだけでは子供たちに柔道を学ばせる根拠にはならない。むしろこの敗北から井上が立ち上がって見せ、なるほど柔道を学べば人生において少々の躓きがあっても強靱に立ち上がれるらしいぞと証明して見せたら、父親としては息子に柔道を学ばせておくのもよいかもしれないと思えてくる。自閉症さえなければね。

多くの子供たちが柔道を学ぶ。中には学業も遊びも全て犠牲にして柔道に打ち込む子供たちもある。しかし当然ながらその大多数はスポーツ柔道の実績を残すほどの選手にはなれない。いずれかの時点で己の限界を悟って道場を去ってゆく。彼らに柔道の勝ち方を教えるのは他の金メダリストでもできるだろう。しかし負け方を教えられるのは井上さんだけだろう。

結局、負けてもなお井上さんは柔道界を背負って立つ最強の柔道家なのだ。
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by yamakaw | 2004-08-20 16:59 | 日記