こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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11月最後の休日

木曜・土曜と中1日で当直して、昨日は当直明けで午前9時から本日午前9時までオフ。非拘束時間が24時間に達するのは今月ではこの日だけ。本日は自宅待機だが、休日自宅待機の医師は午前中は出勤して回診したり休日午前中の外来をしたりすることになっているので、先ほどまで病院にいた。

木・金・土とそれなりに重症の入院が続いた。三連日で一日一人ずつ救命したってのはけっこうよいペースではないかなと思う。自分が命を救った子どもがどこかで生きているのだよと、ときおりふと思うのはけっして悪い気分ではない。ハードでタフではあるが、そう詰まらない仕事ではないと思う。ということで医学生や研修医の人は新生児科をよろしくねがいます。

帰宅後、テレビをつけるとカナダ・アラスカの国境地帯の自然を特集していた。雄大な氷河と森林・海とザトウクジラ。北米大陸でも屈指の高峰が、氷河の中にそびえ、夜明けには赤い陽光がその頂上付近からオレンジ色に照らしてゆく。静かで荘厳な光景であるが、それが麓の人里からは全く見えないというのがまた良い。人間が北米大陸に到達するよりはるか以前から、夜明けのたびにこの荘厳な光景が繰り返されてきたというのに。蕩尽も天の上のお方がやるとスケールが違う。

先住民のトリンギット族も紹介された。例によって、いかにも政府支給な没個性の建て売り住宅のまえに数人集まって、「民族衣装」と称する装飾の多い非実用的な服を着て、音響の悪い打楽器を叩いて単調な歌を歌っていた。いずこの先住民族もそういう扱いを受けているのだなと思った。

娘が通っている剣道教室が敬老会のだしもので演武をするというので、観に行った。もともと、歴史的に有名な決闘があってその記念植樹も残っている土地で、それなりに剣道はさかんな様子である。道場に通うほどでもないうちの娘のような面々にも、週1回でボランティア運営の教室が開かれていたりする。週1回の稽古にしては、よく竹刀を振れるようになっていた。まだ試合をする水準ではないが、猫背がなおって姿勢が良くなったので父としても嬉しい。

ただやっぱり演武といっても素人芸にはちがいない。体育館に集められてこういう素人芸を見せられるというのは、老いるというのも辛いことだと思う。そこでうんざりするのではなく心から楽しんで手を叩いてやれるというのが年の功というものかもしれない。その水準まで徳を高めておかないと、老いるのは辛いよということだろう。

帰りがけに床屋に寄った。時計をみて、しまったと思った。正午前である。案の定、NHKののど自慢をしっかり拝聴することになった。私はこの番組が嫌いだ。なぜといわれても感覚的に受け付けないのだから仕方がない。素人芸の「痛さ」と全国放送という規模のアンバランスがとにかくいたたまれない。しかし床屋さんという人たちはこの番組がたいそう好きらしい。昼下がりの床屋では必ずこの番組を鑑賞することになる。嫌いだから消してくれと言っていいものかどうか迷う。気を悪くされるのもいやだし、ひどく恐縮されるのも辛いし。もうちょっと早く来るか遅く来るかというのが正解なんだろう。でもそれが正解なら、ひょっとしてこののど自慢は床屋さんが昼ご飯の時間を確保するための策略なのかも知れない。ならば日曜には病院の待合にも流してみるというのはどうだろう。昼に空き時間が作れるかも知れない。
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by yamakaw | 2008-11-03 17:06 | 日記