こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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平穏無事のNICU

今日のうちのNICU看護スタッフは、一番下っ端でも経験5年目というとんでもない充実ぶりだった。人数も日勤6人。何とも贅沢。さるさる日記時代に看護師の層の薄さを嘆いたのが嘘のようだ。しかもこんな充実した日に新規入院もなし。午前の外来が終わった後は半日NICUでぼんやり座って本を読んでいただけの平穏な一日。入院中の子供たちみんなの病状が落ち着いているのはベテラン揃いの看護師たちが落ち着けてくれているのだろうけど。

産科では超未熟児の双胎の帝王切開をいつにするかと検討中。

できれば今日みたいな充実した日に出生してほしいなと思う。6人いたら超未熟児二人の入院時処置もけっこう楽に進む。楽だというのは大事なことだ。ゆとりがあるほど成功率が上がる。大人でも点滴失敗したら痛いでしょ。超未熟児は点滴失敗が重なると脳室内出血を起こしますからね。やっぱりベテランに介助していただいて処置をしたいです。一人の処置に掛かっている間はもう一人の子をしっかり落ち着けていてもらわなければならないし、日勤3人で二人は1年目なんていう、この3月までは実際にあったようなシフトの日に超未熟児二人の同時入院なんて到底不可能でした。

うちのNICUでは25週までは在胎週数と生存率がダイレクトに相関している。在胎週数と生存率のグラフを書いてみると、生存率は24週・25週で右肩上がりに急上昇し、26週からはほぼ8割9割以上となって上昇が緩やかになる。数字だけでものを言うならば、25週までは胎内での状況がどうあろうと妊娠継続してほしいが、26週以降は胎内環境が悪化したら程よいところで分娩に持ち込んでほしいと思う。

むろん、こんなエクセルのマクロで判断プログラムが書けるような単純なアルゴリズムでは分娩時期を決定することはありませんよ。もうちょっと色々と小難しいことも考えてます。感染の合併なんてのも大事な要素だし、双子だと体重差とかも考えるし、臍帯血流を超音波で診ることももちろんだし。

その「小難しいこと」の中には看護スタッフの充実度ってのも入るのがつらいところです。去年までは、NICU看護師の勤務表を主任と二人で睨んで、この日なら大丈夫だからと超未熟児の帝王切開予定をずらしてもらってたりしました。問題なしとは言えません。もっと巨大なNICUならこんな人的要素の変動もそれほど大きい影響は持たないはずです。日勤20人とか30人とかでやってるNICUなら日ごとの経験度のばらつきもそれほど大きくはならないはずです。

そんな半端なNICUでも今は業務を止めるわけにはいきません。京都の事情ではね。
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by yamakaw | 2004-07-23 00:06 | 日記