こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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「コンピュータが子供たちをダメにする」 クリフォード・ストール 草思社

今度はこんな本を読みました。

著者は「カッコウはコンピュータに卵を産む」で自分が管理するシステムに侵入したクラッカーを追いつめた顛末を述べて一躍有名になった人である。2作目の「インターネットはからっぽの洞窟」でネットの空虚さを論じた。本書が3作目。

コンピュータを熱狂的に教育現場に導入しても教育がよくなるわけではない。売り込む企業が儲かるばかりで、図書館の予算は削られ、子供たちはレポートの中身ではなくフォントに気を遣うようになる。計算練習やスペリングといった学力の基礎が突き崩されていく。云々。確かにそうだよねーと思う内容ばかり。
僕はチョウについての研究だったら、インターネットからダウンロードした昆虫学の最新の研究を参考に作成されたマルチメディアの展示物より、小学六年生がトウワタの茂る野原でオオカバマダラのさなぎを観察して書いた文章を読みたい。

でもうちの娘の小学校はコンピュータもそれほど導入しているわけでもないのに計算練習の宿題は自分の小学校時代よりもはるかに少ない。漢字ドリルなんて過去の遺物扱いだ。基礎を反復する地味な教育がおろそかになっているのはコンピュータのせいばかりではないんじゃないか、とも思う。

「インターネットは・・・」を読んだときは私はまだそれほどのネットジャンキーではなかったし、そんなもんなのかと他人事じみた感想しか持たなかったが、今の生活を思い返せば彼の指摘が正鵠を射ていたのが今更のようにわかる。彼に指摘されたからっぽの洞窟を探検するのに私は随分と時間を費やしてきた。幸いにしてシステム管理者などという恐るべき仕事は引き受けたことはないので「カッコウは・・・」の記述が身に染みることはまだないのが幸いだ。
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by yamakaw | 2004-07-19 21:46 | 読書