こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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「臨床心理士」にむかつくのは何故だろう

不遜ですけどね。

「ネオネイタルケア」という新生児医療関連の主に看護師さんが読む雑誌があります。けっこう読み応えのある記事を載せます。畢竟、NICU医療は看護師がやるものですからね。寄稿者は大きなNICUに勤務している看護師さんだったり、新生児科医が解説記事を書いたりしているわけですが、無視できないのが臨床心理士です。

生まれたばかりで重病でNICUに入院した赤ちゃんの、あるいは出生前診断のついた生まれる前の赤ちゃんの、お母さんをはじめお家の人の心理的ケアについて述べられます。あるいは赤ちゃんが亡くなった後の御遺族のケアとか。

記事の内容はいちいちごもっともなことばかりなんですけどね。いつも、読んでて腹立たしい思いをさせられます。なんでこんなにむかつくのかな、とその都度反省します。

痛いところを突かれるからかもしれません。心理的ケアって手薄になりがちです。それに、ここまでで十分という手応えもありません。気にしても気にしても際限がないし、客観的には十分やれていることでも、改まって指摘されたら、指摘されると言うことはまだ不十分なのかなと思わせられるという、疑心暗鬼的な一面もあります。障子の桟に積もった埃を無言で拭う姑に感じる嫁の心境かもしれません。

批判を予想しない執筆スタイルに反感を感じるのかもしれません。私の言うことはあまりに当然で反論のしようがないだろうと言わんばかりの、直截な、あるいみ無防備でナイーブな雰囲気が臨床心理士の寄稿には共通しています。心理的ケアが必要だってのは同意するけど、だからといって貴女のご意見が各論まで全面的に正しいと言うことにはならんのよと言いたくなります。でもこれは臨床心理という分野が背負った宿命かもしれません。結局、他人の心理という原則的に分からないことに言及する分野ですし、レヴィナス先生に倣って他者の他者性に対して遠慮がちになっていたら一切ものがいえなくなりかねません。立証も反証も可能なら私ら医者の出番ですしね。

たぶん、こういう非難を受けても臨床心理士ならこの非難の出所を冷静に分析してみせることでしょう。他人の心を手玉に取るとの非難の気持ちもまたあります。繰り返すことになりますが、他人は他人なのよと。他者の他者性に関する扱いは凄く難しいものなのに。

やっぱ、みんなへとへとになって24時間頑張っているのに、当直もしない職種が単にNICUの中をうろうろしてお家の人と勝手に話をしているという場面を想像すると、自分の手は汚しもしない癖に他人の苦労も知らず好き放題な事を言いやがってという反感がこみ上げますね。うちのNICUにはこの職種が勤務していないせいかもしれません。実際の働き具合を見れば感想も変わるのかもしれません。
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by yamakaw | 2004-07-16 13:27 | 新生児