こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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ときどき、ネットに倦怠することがあります。喰い飽きた、とでも言いますか。しばらくコンピューターも開かず、メールチェックだけPDAでやってました。

今回は何でへたってたんでしょう、と思い返してみます。日本沈没の第二部が外れだったせいか。あるいは、若い医者に「カラマーゾフって何ですか?」と真顔で聞かれたせいか。・・・いや、べつにドストエフスキーなんて読まなくても医師免許は頂けるんですけどね。でもねえ・・カラマーゾフって何ですか、か・・・・そのうち、坂本龍馬ってダレっすか?とか聞かれるんでしょうね。ぐちぐち。いや、いいんですよ(棒読み)、医学さえしっかり学んでいればね。

「日本沈没 第2部」は、SFとしてはきっちり完成してました。自然科学的には、確かに、日本が沈没したらその後はこうなるはずです。小松左京氏が第一部の執筆をなさっておられた折に、ここまで考えておられたかどうかは知る由もないですが。むしろ、他の小説に描かれる(たとえば「果てしなき流れの果てに」の1シーンとか)沈没後の断章を読むと、日本の存在だけがポカッと脱けた世界が延々と続くという構想をなさっておられたようにお見受けします。

でも火山の一発だけで気象は変わるのに、富士山をはじめとした日本中の火山が火を噴きながら沈没していった後で・・・とこれ以上書くとネタばれなんでしょうけれども。

でも本書には、経済やら政治やらといった方面でどれほどの説得力があるでしょう・・・。たとえば国内の土地という担保を全て無くした日本人のカネが、沈没後の世界でどれほどの力を持ちうるのでしょうか。紙切れ以下の存在になりはしないのか。是非知りたいところです。あるいは、国土を失った国の政府が、一国の政府として認められる正当性は何なのでしょうか。たとえばの話、本書にある如く狡猾な中国政府なら、自国内の難民キャンプに傀儡的な自治政府を作らせて、日本国政府としての正当性を主張させるような、そういう事はやらんのでしょうか。

そういうツッコミの一つずつで、第3部第4部が書けちゃったりしそうで、やっぱり日本沈没ってのはでっかいテーマだと思います。

本書の中では、日本人は勤勉で謹厳で誠実な、プロジェクトX的美徳に溢れる民族です。日本人ってここまで大したものか?とも思いました。やたら他責的な評論家ばかりが増えて、お産すらままならなくなっている日本人が、国土を失ってなお本書にある如くしぶとく生きていけるのでしょうか。あっという間に雲散霧消するような気がしてならないのですが。

悪役として、熱湯浴的に中華思想に凝り固まった中国やら米国やらが出てきますが、そのキャラの立ちようがあまりに2ちゃんねる的で辟易します。まして、隠蔽しようとした事実を暴かれただけでへへーっとへりくだるなんて、そういう水戸光圀時代の悪代官じみたヘタレさを、米国政府に求めても仕方ないんじゃないかと思います。

小野寺さんとかつての恋人の再開シーンは、谷甲州氏による、「復活の日」の最終シーンへのオマージュでしょうね。あるいは最終シーンは「果てしなき流れの果てに」の1シーンそのままでした。いかにも取って付けたようなラストシーンで、小松へのオマージュ以外に存在意義は無いんですけども。でもあの状況で「君が代」を歌うような面々と同じ恒星間宇宙船には乗りたくないものだと思います。月並みではありますが、国土を失った日本人が、ついに地球上には国土を再建し得ず、宇宙に新しい国土を求めて旅立つとして、その旅立ちに口をついて出る歌はやっぱり「兎追いし彼の川・・・」ではないかと思うのですがね。
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by yamakaw | 2006-08-05 00:29 | 日記