こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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創傷治療の常識非常識

創傷治療の常識非常識―〈消毒とガーゼ〉撲滅宣言
夏井 睦 / 三輪書店
ISBN : 4895902021

創傷治療の常識非常識〈2〉熱傷と創感染
夏井 睦 / 三輪書店
ISBN : 4895902412

これからの創傷治療
夏井 睦 / 医学書院
ISBN : 4260122533

夏井先生の仰るとおりに外傷治療を閉鎖療法で行うと、ものすごくよく治る。実際に外傷の診療にあたる立場の臨床家には、最近はスタンダードになりつつあるんじゃないかと思う。むろん消毒とガーゼを頑迷に使い続ける人らもあるけれども、閉鎖療法の治りの良さを知ってそれでもなお意識的に消毒薬とガーゼにこだわる向きってのは少数派になりつつあるんじゃないかと思う。

実はNICUでも閉鎖療法の考え方は重宝する。極低出生体重児の皮膚はサージカルテープを剥がすだけで表皮剥離を起こしかねないほど弱い。夏井先生の本を読んだら、彼らの皮膚の処置に消毒薬やガーゼを使うのが恐くなった。彼らの脆弱な皮膚でも、よく洗浄したうえでフィルムドレッシングなどを駆使すると、傷の治る速さが全然違う。今までなにしてたんだろうと思うくらいに。リバノールなんてもうお払い箱である。

閉鎖療法に今さらケチをつける向きがあるんだろうかとも思うのだが、夏井先生の著書を拝読すると、EBMに対して先生は過剰なほどに攻撃的である。よほどエビデンス云々と陰口をたたかれてるんだろうかとご心労が偲ばれる。なに言われてもほっておけばいいのにと思う。そんな陰口をたたく奴らなんて、自分では外傷の治療なんてしないようなお偉い大先生ばかりなんだろうから。読者としては淡々と閉鎖療法の解説が述べられてあるだけで十分である。
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by yamakaw | 2006-03-20 19:08 | 読書