こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

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安心な産科医院

産科詰め所で助産師が話してたことによれば、市内のある産婦人科医院から紹介のあった妊婦さんは、まず間違いなく同じ医院に帰って行かれるとのこと。

これは二つの意味がある。一つには紹介が適切なタイミングであるから安静と陣痛抑制で切迫早産の病態が落ち着き、一般の産科医院で分娩しても安全な週数に到達できるので、大半の妊婦さんを円満に逆搬送できるということ。もう一つは、この医院への妊婦さんたちの信頼が篤いために、うちの病院への鞍替えを希望される妊婦さんがおられないと言うこと。いずれにしてもこの医院の実践は素晴らしい。かくありたいものである。

むろん産科的に最善の治療をしても結果的に早産となる症例はある。この医院から紹介の妊婦さんであっても例外ではない。あるいはこの医院で産まれた赤ちゃんに異常があって新生児搬送に出向くことも、決して無くはない。ある程度の分娩数を扱う産科ならある割合で切迫早産があり異常分娩があり病的新生児もあるものだ。しかしこの医院関連の御用のときには無用の緊張をしなくて済む。例え赤ちゃんの病状が重篤であっても、重篤な病状への対処に専心していられる。これは引き継ぐ立場としてはとても有り難いことだ。

患者さんや関係病院の信頼を集めて、この産科医院は徐々に評価を上げている。標準的な産科医院から一流の産科医院へと、じわりと歩を進めてゆかれるところだと思う。どの業界でも標準と一流の差は遙かに遠いような紙一重なような、分かりにくいような歴然としているような、いずれにしてもその境を越えるのは難しい。無論努力も要るが、知恵のない力任せの努力では決して越えられない。でも小賢しいトリッキーな思いつきで一流になれるわけでもない。自分や自分達の施設に関してはどうすればいいのやら途方に暮れるが、この産科医院は確実に我々の先を行っている。
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by yamakaw | 2005-08-19 17:22 | 日記