こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

childdoc.exblog.jp
ブログトップ

ようやく6日目

25日金曜から始まった、当直・自宅待機・日当直・自宅待機・当直・自宅待機の6日間拘束が今日で終わる。自宅待機といっても、日中は出勤している。夜の自宅待機である。

6日間はけっこう長かった。でも当然のごとく酒を断ち早寝をするからかえって体にはいいかもしれない。自宅待機の日に実際に呼ばれることが無かったというのもよかった。中一日を徹夜で過ごしたら三連の当直と変わりない。

金曜と火曜の当直では外来のカバーに大学から来てくれていたのも良かった。準夜に休めると楽である。NICU当直が準夜には休んでいられる程度に、NICUも落ち着いていたのである。今後は常勤医の準夜勤務をぜひ実現したいものである。



当直中に外来で咳の止まらない子を拝見した。アレルギー専門医と称する医者に、IgEが低いから喘息ではありませんと言われ、二週間分の鎮咳剤を処方されたらしい。その薬を飲み尽くしても咳が収まらず、途方に暮れての夜間救急受診だった。やれやれ。小児科医としてはどう謝ったものか。患者さんの主訴はあくまで「咳」じゃないか。咳を止めてもらいに受診されたので、「アレルギーが心配」で受診されたのではない。アレルギーじゃなかったら治ろうが治るまいが知らんという態度で外来をやられては患者さんにも同業者にも大変に迷惑である。喘息じゃないならないで他の診断を考えるのが医者だろうよと思う。

年長の医師にカルテを叩きつけて問いつめるというのは、よい子の病院勤務下っ端医師が取るべき礼儀正しい態度ではないのだろう。上手く行くとは思えない。「医療の和を破壊する」云々と言われて私の立場が悪くなるだけである。

では実際にそういう甘っちょろい診療態度を改めて頂くにはどうしたらよいのだろう。研修医の教育に関しては広範に話題にされているが、使えないまま年を重ねた医者はどう扱えばよいのかはどこかに書いてあるだろうか。

内田先生の著書には、使用期限の過ぎたものを正しく葬るということの重要さが説かれてある。この場合も「正しく葬る」というのが大事なのだろう。

病院勤務医ならば、正しく葬る方法が一つある。「開業をお勧めする」である。今さら診療態度を改めて頂こうなどと不可能な事を言わず、不愉快な思いをさせず、実務の穴は裏からこっそり埋めてくれぐれも患者さんには迷惑をかけず、円満に病院を去って頂く日を待つことである。

昔、口さがない看護師が、年長の医師に、「先生はいつご開業になるのです?」と聞いた現場に居合わせたことがある。聞かれた医師は実力を認められたものと思ってか嬉しそうにしていたが、この看護師の普段の言動(この医師が居るところや居ないところで)を見ていた私には、その言葉はどう聞いても「さっさと開業でも何でもしてこの病院から出て行ってくれ」という意図にしか聞こえなかった。背筋が寒くてその場をそそくさと逃げ出してしまった。そういう言葉の裏に含まれたトゲを感じることの出来ない医師であればこそ、そういう事を看護師から言われてしまうのだろうとも思った。
[PR]
by yamakaw | 2005-03-30 18:24 | 日記